「ごめんなさいっ
私、気付かなくて…」
「いや俺の方こそ、すいません」
パンパンとスカートについた砂を落としてると、
私と同じくらいの歳であろう、ぶつかった男の子がキョロキョロと地面を見回していた。
「あれ、定期…」
「定期…あっ!」
よく見たら、
その男の子の定期であろうものが、改札の向こうに落ちていた。
「え、嘘っ」
男の子はそれを走って取りに行こうとするけど
────ビーッ!!
改札はそれを許してくれない。
「どぉーすんだよ…」
困り果ててガックリとしてる男の子。
私が何とかしようと思って、自分の切符で改札を通り、
定期を拾って、男の子に渡してあげた。



