────結局、
あの日はそのまま帰った。
そして、デートは翌日というところまで迫ってきた、
金曜日。
「……はぁ…」
「今週すごい溜め息多いね」
「あ、うん…
って、碧くん!!」
碧くんが話しかけてくるなんて珍しっ!
学校では基本、大和と一緒だけど、
碧くんや奈々とも、よく一緒にはいる。
でも奈々がいないのに碧くんが話しかけてくるなんて、初めてじゃないかな?
「今週さ、
奏多から、すごい連絡来たんだよね」
───ピクッ…
あぁっ!!ダメダメ!
奏多って名前に反応してしまう!!
「とにかくマシンガントークでさ、
『俺今日が早く終わればいいと思うんだよね、
そんで明日も早く終わるといいと思うんだよね!』って、毎日のごとく電話かけて来てさ」
「そ、そうなんだ…」
「で?
穂香ちゃんは奏多と明日なにするの?」
「へ!!?」
なんで明日ってわかるの!?
エスパー!?
「や、今日は奏多が、
『明日が待ち遠しい』って言ってたからさ」
「あ、そ、そういうことね…」
「あんなにはしゃいでんの、穂香ちゃん絡みしかないから。」