機嫌をうかがうように、穂香の顔を覗き込むと、
穂香はボボッと顔を真っ赤にして…
「……そんな嬉しいこと…
私だけ知らなかったなんて悔しい…」
唇を尖らせながら、そう言ったんだ。
え、てか、今、
『嬉しい』って……
「嬉しかった…のか?」
「嬉しいよ!
……だ、だって、私……奏多が…
……す、き…だから」
一番重要なとこ、小声になっちゃってる。
でも、そんなとこも愛しい、と思う。
「そっ…か、よかった。
嫌われたかと思ったし」
「嫌わないし…!
でも…もっと早く言ってほしかった…」
「だから、タイミング逃しちゃったんだって」
「わかってるけど…!
今頃言われると、恥ずかしいよ…
自分のことなのに全然気付いてなかったなんて…」
具合悪かったんだから、仕方ないだろ。



