「バカでしょ？
あたしさ…わかってたんだ。
祐介が穂香ちゃんを好きだったこと。
だから穂香ちゃんが祐介を好きだって言った時、
敵わないと思ったの。」
じゃあ唯加ちゃんは……
自分の気持ちを押し殺してまで…私のことを……
「…唯加ちゃ「あの頃は」
「……え？」
「純粋に、穂香ちゃんを裏切りたくないって気持ちが強かったの。
でも……あたしどんどん汚くなってた…。
高校で祐介と再会した時、すぐに告白した。
でも祐介は…好きな子がいるって言ったの。
『ずっと後悔してるんだけどね』って言ってた。
穂香ちゃんのことだって、思ったよ。
だから、あたしも後悔してるんだよって言ったの。
昔から好きだったって、言った。
そしたらね、付き合ってくれたんだよ。
……きっと、同情だと思うんだけどね、それでも付き合ってくれた。
だからね……邪魔しないでほしいの。」
「…………え…？」
「祐介はあたしと付き合うことで、前を向いて歩けるんだよ。
穂香ちゃんが祐介と関わるから…
だから祐介は、振り返っちゃうの」
