加藤くんの言う通り、
駅に着くと、人がたくさん降りていった。
「あ、席空いたよ。
降りるの次だけど、座ろっか。」
「うん」
空いた席に座ろうとすると、
加藤くんの友達がちゃっかり席に座っていたのが見えた。
「おい慎哉(しんや)…お前ちゃっかり座ってんなよ」
「え?
最初から座ってたよ。
俺、超運いいからさー、席が空いてたんだよなー」
お、お友達の名前、慎哉くんっていうのか。
運がいいなんて羨ましい…
そんなことを思ってたら
「穂香ちゃん、座ろ?」
「あ、うん」
加藤くんにそう言われたから、
加藤くんの隣にストンと腰をおろした。
そして言うまでもなく、すぐに目的の駅に着いた。



