痛い…… もうこれからはこっち方面の電車乗らないんだから! 心の中でむくれていると、 「……大丈夫?」 私に覆い被さるように、加藤くんがドアに手をついて、私を庇ってくれていた。 「あ……あり、がと…」 「次の駅でだいぶ降りるだろうから。」 「うん……」 ……ち、近いな… 電車が揺れる度に、ちょっと体があたってる…。 チラッと加藤くんの顔を覗き込んでみれば、 「ご、ごめん! わざとじゃないんだけど…!!」 顔を真っ赤にして、私にそう言った。