メソメソして下を向いている暇があったら

大事なものを見逃さまいとして

睨み付けてまで

存在を認めて欲しいからと

至るところに落書きするのはいいけれど

もっと上手く書いてよ

あんたなら書けるからさ

なんて仏頂面を見て苦笑いしながら

喧騒を遠くに聞きながら消すのを手伝って

そんな夢物語を言って早数十年

良く晴れた爽やかな風が吹く今日は

あんたとあんたの愛する人との晴れ舞台

最後になって

畏まって頭を下げて

あんたからありがとうなんて

お礼を言われるだなんて

思ってもみなかった

けれど

ご招待した人達を見れば一目瞭然

面白そうだなと書くのを加勢したり

しょうがないと消すのを手伝ったり

早くしろよと待っていてくれたり

今ならきっと騒がしいくらいよ

あんたが築き上げてきたもんなんだから

文句の一つだってありゃしない

野暮なことは言わないから

あんたが描いた落書きという名の絆に

上手に書けたじゃないと

頭を撫でながら一言だけ添えたの