事件に巻き込まれた私。
病室で目を覚ました時には、全てを忘れていた。
幼馴染の貴方のことも、
亡くなった両親のことも、
元気づけようと連れ出してくれた先で負ったこの傷のことも、
思い出も、名前も、全部。
傍にいる貴方に戸惑いながら、日々を過ごしていたのだけれど。
ある時、貴方の背に向かって言っていた。
今の私が呼ぶはずの無い貴方の下の名前を。
驚く貴方を尻目に、私は感じていた。
私は貴方が好き。
再び目覚めた時には、思い出していたのだけれど。
事件に関することと記憶を失っていた間の記憶が無かったようで。
普段通りというより、事件に巻き込まれる以前の感じでいた。
それなのに、貴方は私を自分の家に連れてきた。
思い出したし、もちろん家も覚えている。
帰れるのに、心配性ね。
と、いつものように貴方に言ったら。
「心配ぐらいするだろ!」
聞いたこともない大声で、でもすぐに貴方はハッとした表情になって。
隠す様に置いてあったその箱に、私は今までの意味を悟った。
病室で目を覚ました時には、全てを忘れていた。
幼馴染の貴方のことも、
亡くなった両親のことも、
元気づけようと連れ出してくれた先で負ったこの傷のことも、
思い出も、名前も、全部。
傍にいる貴方に戸惑いながら、日々を過ごしていたのだけれど。
ある時、貴方の背に向かって言っていた。
今の私が呼ぶはずの無い貴方の下の名前を。
驚く貴方を尻目に、私は感じていた。
私は貴方が好き。
再び目覚めた時には、思い出していたのだけれど。
事件に関することと記憶を失っていた間の記憶が無かったようで。
普段通りというより、事件に巻き込まれる以前の感じでいた。
それなのに、貴方は私を自分の家に連れてきた。
思い出したし、もちろん家も覚えている。
帰れるのに、心配性ね。
と、いつものように貴方に言ったら。
「心配ぐらいするだろ!」
聞いたこともない大声で、でもすぐに貴方はハッとした表情になって。
隠す様に置いてあったその箱に、私は今までの意味を悟った。