ダイプロッ!



「………誰?」
開口一番、藍子は首を傾げた。
誰だろう。こんな奴、会った覚えがない。

少年は大きく溜息をつく。そして、藍子に歩み寄った。
「ほら、この顔だ。四年前に万年仏頂面と言われた顔だぞ?」
「…………と、言われても」
近くで見ても、やはり知らない顔である。
少年の背は自分より少し上、百六十センチメートルあるかないかくらい。同年代の男子にしては小さい方だ。
どちらかというと童顔な顔は、本人の言う通り仏頂面。笑うことを知らないと言ってもいいほど、不機嫌感が半端ない。
黒い学生服は、背に付くくらい長い黒髪と一緒だと面白いほど似合わない。せめて束ねて欲しいものだ。
心当たりのなさそうな藍子に、少年が背を向けて唸る。
「うーむ……じゃあ、四年前に会った死神だって言えばわかるか?」
「は?」
藍子は、胡乱げに少年に近付く。
「何、死神って?会った記憶なんてないわよ」

「……本当に覚えてないんだな」

少年は立ち上がり、藍子の方に振り向く。
その瞳の色が、赤い。
「!?」
「これで思い出したか?」
先程までは黒かった瞳が、藍子の古い記憶を呼び覚ます。





「あんた、福寿魂神社の……」