あの花が咲く前に④






詠は真っ白なワンピースを着ていた。

彼女の漆黒の髪が なお際立っている。

ワンピースの裾がふわふわと

たなびき 同時に彼女の足が

梯子にかかる。


「ねえ。空斗。

 私 高いところは

 そう怖くないのだけれど

 こんなに揺れていると・・・。」


「大丈夫。

 後ろから支えてやるから。

 頑張れ。」