あの花が咲く前に④






空斗Side----------


「ふう・・・。

 あとどのくらいで着きそうだ?」


「もうすぐそこが出口よ。」


何時間 細いパイプの中を

這い回ってきただろう。

後ろを振り返ることはできないが

きっと詠も顔が真っ黒だと思う。


「ほら 明るいでしょ。

 あそこが出口。」


詠が言う。

やっと光が見えた。

やっと 空の青さを感じられる。

やっと美味しい空気が吸える。