あの花が咲く前に④






俺が指を刺す。

詠が嫌そうな顔をする。


「しっ、仕方ないだろ。

 我慢しろよ。」


「誰も我慢しないなんて

 言ってないわ。」


そう

ただ1つ残された出口は・・・


「天井に見える小さい格子戸がある。」


「ええ。」


「あそこにまず入って・・・。

 中はきっと空洞のはずだ。

 そして城中を這いめぐる

 パイプのようになっているはず。」


「なぜわかるの?」