あの花が咲く前に④






「しっかりしなさい!馬鹿空斗!」


馬鹿とはなんだよ・・・。

詠の声である。

夢を見ている。

俺は死んだんだ。

あの時 詠だけでも助かるように

ヘリに押し込んだものの

彼女は元気にやっているだろうか。

最後に 何も声をかけてやれなかった。

ただ 悲しい表情で

うっすら笑うことしか出来なかった。

ほんと どうしようもないな・・・俺。