「こらこらこら！望（ﾉｿﾞﾑ）……じゃなかった――柏木（ｶｼﾜｷﾞ）！遅刻して来といていきなりおやすみモードに入るな！！」


　そんな僕に担任が間髪入れずにつっこんだ。


　（誰のせいで眠たいと思ってんの……？）


　心の中でぼやきながら顔を上げた僕は、ささやかな復讐を企てた。


　「昨日の晩、茜（ｱｶﾈ）が眠らせてくれなかったから眠たいんですけど？」


　僕の言葉に目を見開く担任を見ながら、わざとらしく口に手をやり続ける。