桜雨〜散りゆく想い〜

 鞄から弁当箱を取り出して、流しで洗ってから水切り籠に伏せる。


 ソファーに体を投げるようにして寝転がり、テレビのリモコンを手にとって電源を入れた。


 調度ニュースしかやってない時間らしく、チャンネルを一周させてからテレビを切った。


 する事もなくぼーっとしていた僕はいつの間にか眠っていた。


 「望!望!」


 声と共に体に何か被さった重さに眼を開くと、目の前に茜の顔があった。