見慣れない制服に身を包んだ、類を見ない程の絶世の美少女は嫌でも目を引く。


 階段を昇り、重たい鉄製の扉を押して屋上へでると風が吹き付けて来て、腕を上げて目を庇った。


 佐倉さんはゆっくりと僕の横を抜けて、春光の中を屋上の端まで歩いて行く。


 佐倉さんの後について、僕も端にあるフェンスまで行き手をかけながら言う。


 「桜、本当に好きなんだ?」