佐倉さんが頷いたのを見てから僕は立ち上がり、教室の後ろ側のドアから廊下に出た。


 廊下は一時の休息を楽しむ生徒達がひしめいている。


 全体的に女子の多い学校で、見る限り七割ぐらいは短いスカートから伸びる足だったり、少し茶色い長めの髪だったりだ。


 そこで一度立ち止まった僕は後ろを振り返り、佐倉さんに尋ねる。


 「何処から行こうか?」


 「桜が見たいな……」