薄手のブラウスなんか着るもんだから、濡れた服が体に張り付いて何も着ていないのと大差ない。


 「ちょっ……何見てんのよ馬鹿!」


 「下着ぐらい何を今更――」


 『いつもはもっと恥ずかしい事してるじゃん』


 と、続けようとして僕は茜の鋭い視線にぶつかり、口を閉じた。


 「とりあえずそんな格好で歩けないし、一回帰ってきたら?まだぎりぎり間に合うだろ?」


 僕は学ランの上を脱いで、茜にかけてやる。こうゆう時ブレザーでなくてよかったと思う。