次第に心地よくなる、温かさはあたしの涙も誘った。 ぽろぽろと落ちる透明な雫は、お湯の中に消えていく。 声が出ないほど、あたしは悲しかった。 ゆきにひどいことを言われたから、っていうわけじゃない。 草を投げられたからでもない。 約束が思い出せないからだ。 「なんで、覚えてっ、いないんだろっ・・・!」 あたしは自分が許せない。 ゆきが覚えてくれているのに、自分だけ忘れていることが許せない。