本当にこの人のこと、理解できない。 さっきあたしにちょっかいを出していたのは、どこの誰よ? 今は、理沙にデレデレしてさ。 男は本当に、大嫌い。 理沙は、またにこりと笑った。 そして、その笑顔が崩れた。ううん、仮面が取れたんだ。 理沙は男の腕を、ギュッと掴んだ。 理沙の瞳は、すごく澄んでいた。汚れを知らないみたいに。 「どうしたの?もう、どこかに行きたいの?」