もしも私が―。


 注射器を取り出して、白衣の人達が私の腕に薄いピンクの液体が入った注射器を刺した。

『ウソ?……イヤ、イヤァ!』



 ―――― フ ――――



「え?」

 かたく閉じた瞳を開くと、見慣れた部屋にいた。

「ここ、私の部屋。戻った、の?」

 すると、急に鳥肌が立った。体を縮めて両腕をつかんだ。

「?」

 腕の感覚が、いつもと違う気がした。

「イタ!」

 今度は頭に激痛が走って、頭を抱えて、ふと部屋の鏡を見た。

「え?」

 そこに映っていたのは、角が生え、鋭い牙を持ち、服の袖から、金色の長い毛が生え、瞳がギラギラと赤い、私だった。        

「私、そんな……私……イヤアアア!」




 ――誰だって、心の奥に潜んでる。自由という名の 欲望が――。




      

        第一部・完。