一途な彼女と意地悪な彼




「ペンキ持ってきたよー」
「あ、ありがとう!それよりいってくれればよかったのにー!あのペンキ重たかったでしょ?」
「あ、まぁね。でも竜斗先輩に持ってきてもらって……」
「えぇ!先輩に!?どういう展開で?」
「別に、多目的でたまたま会っただけだよ?」
「へぇー?まぁ、いいけど。それより祐介。あいつにはいっちゃダメだよ?先輩に運んでもらったとか言ったら、あいつ嫉妬するに決まってるし」
「そ、そうかな?」


祐介だってそのくらいは……。


「あまいわね。祐介って、めちゃくちゃ椿のこと好きなんだよ?嫉妬しないわけないじゃない」


そんな…。
なんなんだろう。
この感じ。
心か温かい。
そしてむず痒い。