一途な彼女と意地悪な彼




どうしよう。


と、その時。

「あ、椿ちゃん。」
「え?あ、竜斗先輩!先輩も何か取りに?」
「あ、うん。久しぶりだね。……て、大丈夫?」
「あ、はは…大丈夫じゃないかもです…」


さっき、ペンキを持とうとしたときに後ろに転けちゃって、そこに先輩が来たわけで……。
あたしが何しちゃったかばれたのかもね。
恥ずかしい……。


「手伝うよ、そのペンキ持ってくんだよね?教室でいいよね」
「あ、あのー。いいんですか?先輩も何か取りに来たんじゃ?」
「あー、うん。だけどまた取りに来るよ。椿ちゃんほっておけないしね」
「そ、そうですか……ありがとうございます…」