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誰かが、好きな色は?と聞いたとき。


硝子ちゃんは躊躇うことなく青だと言った。






どうしてもね、憎めないのよ。





そう言って微笑む硝子ちゃんの眼はいつも通り、吸い込まれそうなほど暗くて、深かった。





あんなにも冷たくて、素っ気ないくせにいつも寄り添ってくるずるい色は他にないんだって。


私はいつもその意味がよくわからなくて、てきとうな相槌をうっていた。

そういう私に気付いていた硝子ちゃんも、別にわからなくていいのよと、可愛らしく首を傾げた。



硝子ちゃんが姿勢を変える度に揺れる真っ直ぐな黒髪は、いつもどこか私を笑っているようで、すぐに目を逸らしてしまう。




ゆらゆら、ゆらゆら。



硝子ちゃんの持つ全ての要素が、人の目を惹きつけて放さなかった。



良い意味でも悪い意味でも、多分それが始まり。