帰ってこない、なんて。 帰る、と表している時点で、私の帰る場所はもうここ以外にない。 「私はこの街に骨を埋める覚悟があります」 「でも、お前はこの街出身じゃない」 「…意地悪」 手を払う。 それを言うのは、意地悪だ。 彼から離れようと起き上がろうとするのを防がれて、手をずるりと引かれる。次は背中を打った。 「俺は後悔してんだよ」 前髪を梳かれる。悲しそうな瞳が、私を射抜く。 「……何に?」 「お前をこっちに引き込んだことも、さっき弟の話をしたことも」 それって、全部だ。