■3■



送ったお菓子の詰め合わせは、リョウ先輩に大好評だったようだ。


直接お礼は言われてないけど、お菓子を送った翌日にもらったあの明るい笑顔とガッツポーズは忘れない。不覚にもドキッとしてしまった。


今では、サクヤ先輩とペアを組んで『閃光吹雪』と戦ってくれることもある(もちろん訓練として)。


彼らは幼馴染らしく、ガルヴァールでペア出場の模擬戦などがあると必ず二人で組むらしい。さらに剣士科1位と魔獣科1位なだけあって、非常に手強い相手となってくれた。


そんなこんなで、私が転校してから一か月経った頃――。



「……あ、おはよう」


「おはよーセリナっ!」



私は、この逆ハーレム軍団に完全に慣れきっていた。



「おぉ、セリナか。ちょっと宿題手伝え」


「え、ヒース君の場合はサボってたツケが回ってきただけでしょ?自分で頑張って」


「やーいやーい!ヒースってば、セリナにまで見捨てられたー!」


「うるっせ、俺はアレンに頼むからいいんだよ!それに、そういうお前だって今日は試験じゃねぇか!」


「うわぁ、そうだった!ねぇクリュウ、ちょっとお願いが……」


「俺様が簡単に協力すると思うか?」


「む。……アレン助けてー!」


「なんで面倒な事は全部こっちに回ってくるのさっ!?」