この《龍玉》は、契約者の魔力がいまどのような状態なのかを知る事ができる。


つまり、今の私の魔力はとても汚れている――という意味になる。



「……ごめんね。私が『負』の魔力を吸収したせいで、こんなに汚れちゃったね」


「……セリナのせいじゃねぇだろ」


「でも、「うるせぇ」」



クリュウは私の言葉を遮ると、少し強引にキスをしてきた。


こじあけられた唇の隙間から、唾液を媒介にしてクリュウの温かな魔力が流れ込んでくる。



「ん、……っく」


「……自分の言葉で自分をわざわざ傷つけようとするな」



離れた私たちの唇を、銀色の糸が繋ぐ。


それを指先で絡め取ったクリュウは、私の瞳をまっすぐ見つめる。