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校舎に到着するまでに、リタさんにベタ惚れ中のイケメン二人も自己紹介してくれた。


まず、強気な態度が目立っていた人の名前はヒース・ノワール。吊り目がちな橙色の瞳が特徴的だ。


もう一人は、ユウリ・エトワール。銀色の髪とクリッとした桃色の瞳、そして若干幼く見える行動をするイケメンだ。


この学校は


『魔法剣士育成科』

『魔法使い育成科』

『補助魔法学科』

『魔族・魔獣研究科』

『魔法陣構築科』


という5つの専門科目に分けられているんだけど、

ヒース君は『魔法剣士科』、ユウリ君は『魔法使い科』にいるらしい。


二人は最初の方こそ私への警戒心バリバリだったけど、学校に着く頃には少し信用してくれたらしい。


3人と分かれて職員室に行く直前、


『リタに変な奴が近付いてきたらお前が守れ』


という、なんとも面白いミッションまでもらってしまったし。……いや、別にこんなミッションいらないんだけどね。



(しっかし二人とも、リタさんの事が大好きなんだなぁ)



リタさん本人は気付いてないだろうけど、あれは相当アピールしているに違いない。


転校先でイケメン達が美少女に振り回されている……ふふふ、いい気味だ!


そんな事を考えながら、廊下の角を曲がろうとしたその時……


ドスッ



「うぐぅっ!?」



鈍い音と同時に、私の鳩尾に鋭い痛みが走った。