今回前衛を務めているのは私、ヒース君、リョウ先輩の3人だ。



「らぁぁぁぁああああああ!」



裂帛(れっぱく)の気合と共に右手に構えたカタナで魔獣の目を思い切り突き刺す。


そして、ドロリとした体液を溢れさせて倒れるソレから即座に距離を取ると、体を半回転。


遠心力を使って、背後に忍び寄っていた別の魔獣の首を……跳ね飛ばす!


ちなみに、今回使っているカタナは私が冒険者の頃から使い続けているモノだ。


赤い玉が柄に嵌まっている意外は無駄な装飾もなく、非常に振り心地がいいのでとても気に入っている。


少し遠くにある開けた場所では、大太刀を構えたリョウ先輩が豪快に魔獣を真っ二つにしていた。


相変わらずとんでもない強さだなあの人。見た目は小学生なのに。


けれど、今日最も驚いたのはヒース君だった。



「……ハッ!」



まるで流れる水のように自然に長剣を振る姿はとても自然で、思わず見とれそうになるほど綺麗だった。