深海魚の夢~もし、君が生きていたなら~



最初のLINEのやり取りは笑えるものだった。


ソラ『どうもーっ初めまして!』

ルカ『誰お前(;」゜□゜)」』

ソラ『ハルさんの愛人でぇす(≧∇≦)』

ルカ『尻軽女(ノ△T)』

ソラ『ハルさんの悪口反対(`ε´#)』

ズッキー『愛されてるねーハル』


この前ズッキーに電話した際、ジュリとソラくんって子の会話が面白い、と爆笑していた。

ジュリと彼はお互いに顔も知らないのに意気投合していて、『ソラ、お前ライブ見に来いよ』なんて誘いにまで発展していた。

…次のライブは、カナタがRe:tireとしてギターを弾く最後の姿を見る事になる。

カナタの彼女だった者として、Re:tireの一人のファンとして…ケジメとして観にいこうと思った。

LINEのやり取りを見ているはずのカナタは、既読スルー。

後から『あのソラって奴、どういう関係?』なんてメールが届いたけれど、こっちから無視だ。

音楽の話にも、面白い話にも混ざって来ないカナタは、脱退の話をしてからジュリやズッキーとも確かな亀裂が入ってしまっているのだとわかる。

縁が切れた。

私が赤い糸だと思っていたものは少しずつ色褪せて白い糸になり、もう見えない程に細くなってしまっている。

人と人との繋がりは、タイミングと類似性なのだと悟る。

カナタと過ごした五年間にサヨナラして、新しい自分になるんだ。

私は、そう決めた。