聖護はカーテンを開け、 ゆっくりとドアへ歩き出した。 「柚愛、帰り迎えにいくから。 ゆっくり休んでろよ」 そう言って、ゆっくりとドアをあけ、 保健室を後にした。 体には、まだ聖護の体温が残る。 心配をかけて申し訳ない気持ちと、 心配をしてくれて嬉しいという 複雑な心境。 「心配性な彼氏のせいで、 ゆっくり休めないわね。 体調はどう?」 保健室の、 上田 乙葉(うえだ おとは)先生は、 優しく話しかけた。