「柚愛、帰り迎えにいくから。 ゆっくり休んでろよ」 柚愛は白い歯を覗かせ、 ニコッと微笑んだ。 俺は急いで体育館へ向かう。 エレナに元気そうだったと伝え、 席についた。 「どうした聖。 そんな怖い顔して」 如月 レオ(きさらぎ れお)。 レオはエレナの双子の弟。 「いや、柚愛が保健室にって言うから、 心配して保健室走ってったら、 元気そうでさ…」 でも、どこか不安もあった。 健康的な柚愛が保健室へ行く程の 体調の悪さだったのか。 そう考えると、不安で仕方なかった。