「お兄ちゃん!
 梨香子ちゃんに家に戻れっていうの?
 そんなの酷だよ!」


「このままじゃいけないってことは
 私でも思うけどさ。
 敦平君、無理だよ。
 私、同じ女として梨香子を守りたい。
 先生にすっごい腹立ってるんだもん!」


「それはそうだろうけど。
 俺も先生には腹ただしいさ。
 このまま逃げてたって、どうしようもないじゃないか。」




「ありがとう、みんな。
 わかってるの、このまま逃げるわけじゃないから。」



一斉にみんなが私に注目する。