_ブーブー……。



「ケータイ鳴ってるよ」

「知ってる」



食堂で食後のコーヒーを飲みながらため息が漏れた。


見なくても誰からのメールかは分かってる。


今日何通目か分からないメールにいい加減呆れる。



「ここいいかな?」

「あ、どうぞ」



声を掛けてきた中山さんたちが隣の空いてる席に腰を下ろした。


目の前に座る伶奈のニヤついた顔は気付かないフリをした。



「モデルのショウと知り合いなんだって?」



またしてもこの類の質問。


有る事無い事噂されるよりはこうして直接聞かれるだけマシかな。



「高校の時の友達なんですって!」



私の代わりに伶奈が答えた。


それも元気よく。



「実は元カレとかだったりして」



中山さんと一緒に来た営業の長野さんが、からかい口調で話しに割って入ってきた。



「今も昔も本当にただの友達ですよ」

「元カレとかだったら面白かったのに」

「ごめんね」

「中山さんが謝る事ないですよ。 それに気にしてませんから、大丈夫です」