午後いつも通り仕事をしていると受付から電話がかかってきた。



「神楽さん宛に松岡様という女性の方がお見えです」

「え? 私にですか?」

「はい、確かに神楽さん宛ですが、お帰り頂きますか?」



女性の松岡さん……松岡さん……はて?


思い返してもそんな知り合い思い浮かばない。



「あの……」

「あ、すみません。 今そちらに行きますので、そのままお待ち頂いて下さい」

「畏まりました」



電話を切ってまた考えてみたけどやっぱり分からない。


松岡なんて知り合い男にも女にもいないはず。


もしかしたら相手は勘違いしてるのかも。



「ちょっと受付に行ってきます」



部署の人に声を掛けて受付に向かった。


さっさと済ませて仕事に戻ろう。



「神楽さん」

「あ、中山さん、お疲れ様です」



噂って不思議。


普段は中々会うこともないのに、噂した日に限って会っちゃうんだもん。