魅惑の果実

____……。


とうとうやってきた……咲さんとの決闘の日が……。


まだ体調が良くないのもあるけど、あんまり眠れなかった。


それに胃も痛い気がする。



「負けちゃ駄目だよ!!」

「が、頑張る!!」



勝ち負けの問題じゃないけど、今日はとにかくぶつかるしかない。


私以上に意気込む明日香に見送られながら、私は寮を後にした。


電車に乗ってる間も気が重い。


周りにいる人たちが凄く能天気に見える。


遅かれ早かれ咲さんとこういう風になるのは分かってた筈。


寧ろよく今までばれなかったなって思う。


待ち合わせのカフェに着くと、まだ咲さんの姿は見当たらなかった。


私はホットミルクを頼んで、隅の方の空いてる席に座った。


落ち着かない。


何とか落ち着こうとホットミルクを飲むものの、やっぱりソワソワしてしまう。


もう帰りたい。


落ち着け。


とにかく落ち着こう。


無駄に何度も深呼吸。



「お待たせ」



肩がビクッと飛び跳ねた。