魅惑の果実

クラブは想像以上に盛り上がっていた。


久しぶりに感じる熱。


ヤバイ。


楽しくなってきた。



「ドリンク交換しに行こぉ〜」



ワンドリンク付きだったから、私たちはチケットを持ってバーカウンターに向かった。


雰囲気は楽しいけど、人にぶつかるたびイラっとする。


バーカウンターにたどり着くまでに、何人とぶつかったか分からない。



「何にするぅ?」

「私はチャイナブルーにする」

「あ、いいね! おにぃさん!! 私も同じやつ〜!!」



バーテンのお兄さんにチケットを渡し、ドリンクを受け取った。


チャイナブルーとか久々。



「お疲れ〜!!」

「お疲れ!!」



明日香に勢いよくグラスをぶつけられた。


割れるかと思った。



「あっち行こぉ」

「うん」



壁に寄り掛かり、辺りを見渡す明日香。


只今いい男物色中。


こうしていろんな男を見ると思う。


桐生さんってマジでイケメン。


イケメン過ぎて、普通に出会ってたら声なんてかけられてないと思う。


そんな人が私の彼氏?


本当に彼氏?


私の事彼女だと思ってくれてる?