魅惑の果実

待ち合わせのコンビニに着くと、明日香が雑誌コーナーで立ち読みしていた。



「ごめん、お待たせ」

「あ、お疲れぇ。 頭可愛いね」

「そうかな? 見慣れてるからよく分かんない」

「ヘアメの仕事も楽しそうだなって思うんだよねぇ。 でも親は許してくれないだろうしさぁ……今だに進路に悩む……」

「あと少し時間あるし、考えてみたら?」

「そうだね。 とりあえず、今日はとにかく楽しむぅ〜!!」



相変わらずのこの切り替えの早さ。


羨ましい。


マジで見習いたいよ。


私たちはコンビニを出てクラブに向かった。



「今日なんかイベントやってるらしいよ」

「何の?」

「さぁ? 取り敢えず盛り上がってんじゃない?」



そしてこの適当さ。


逞しいというかなんと言うか……。


自分とは正反対な明日香。


だから一緒にいて楽しいのかもしれない。



「イケメンいるかなぁ」

「居たらいいね」

「私もそろそろ彼氏ほし〜」



三年に上がる前に彼氏と別れた明日香は、それ以来いい感じの人もいない。


ちょいちょい告られてはいるけど、どれもタイプじゃないらしい。


明日香はとにかく面食い。