魅惑の果実

美香ちゃんの住むマンションについて、リビングのソファーに座った。


美香ちゃんは一人暮らししている。


夜働いていることがばれない様にする為。


何度か明日香と美香ちゃんのお父さんに会ったことあるけど、優しい感じの中に厳しさを感じた。


夜の仕事にも反対派な気がする。



「アイスティーとコーヒーどっちがいい?」

「アイスティー」



そういえば、店様にヘアセットをしてる美香ちゃんを初めて見る。


普段から綺麗だけど、ヘアセットしてる美香ちゃんは更に綺麗に見える。


咲さんもそうだもんね……元がいいって羨ましい。



「どうぞ」

「ありがとう」



アイスティーに口をつけたら、思ったよりも喉が渇いていたのか、一気に半分呑んでしまった。


夏だし走ったし、泣いたし、喉乾いてて当たり前か。



「それで? 何があったの? 彼とデートだったんでしょ?」

「……暴露ちゃってたみたい」

「暴露たって何が?」

「私が高校生だって事……っ」



さっきの車の中でのやりとりを一通り話した。