私と美海が食べ終わった。

と、思ったら

美海は急に

──ギュッ

私に抱きついてきた。

美「…約束」

あぁ…この子は、

例え、小さなことでも、

約束は守る子だった…

両親が死んだとき、

“ハンバーグ作ってあげられなかった。

約束したのに”

って、泣きながら

話してくれたこと、いまでも覚えてる…

私は静かに抱きしめ返す。

『ね、美海。

 旅行行ったらさ、

 なんか甘い物でも、たべよっか?

 おいしーやつ♪』

見るからに明るくなっていく、

美海の表情。

美「えへへ…やったぁ」

『え…?その口調…』

男口調じゃない…

脳裏に浮かぶのは、幼い日の私たち…

甘えたな美海と、笑う私…

今の口調…まるで…

あの頃と同じよう──