うー…
バシャバシャと手を濡らして
何をすればいいのかわからない頭を
フル回転させる。

連絡しなかった癖に怒ってる?
俺ってわかってて、会社に居れた?
なんで…部長なんだ?

「千佳花…留学中…「お前さ、今までなにしてたの?」
「うわぁざあああ!」
「どんなびっくりの仕方だよ…」

後ろにいた千佳花に驚き、
袖に水が掛かった。
「あーあ…何やってんだよ…」

千佳花が触ろうとした瞬間
俺は思い切り千佳花の手を払った。

「なんだよ…
触られんのも嫌って事か?」
「…そういう訳じゃ…」
「大体、質問に答えろよ…」
「なっ…」

そこで俺は壁に追いやられ
顔を上げた瞬間にキスをされた。

「んっ…ふっ…」
「言い訳なら幾らでも聞いてあげるよ?
…薫…」


キュン…


名前を呼ばれただけなのに…
どうして心が疼くんだ…

もう終わった恋なのに…

「…っさせんな…」
「なに?」
「期待させんなっ!!!!」
「はぁ?」

「俺が留学しても連絡寄越さない癖に!
俺ってわかってて会社にいれた癖に!
なんで怒ってた癖にキスするんだよ…」

期待とショックと混乱で
俺はおかしくなりそうだ…