「利明っ!?」

「なっ…。」

千佳花の目の前で高木先輩に
キスをされた。
千佳花の顔が暗くなって行って、
無言のまま高木先輩に近づくと
千佳花は高木先輩の胸ぐらを掴んだ。

「なんでそんなに怒ってんだよ。
千佳花。」

「そりゃ…怒るだろ…?

薫が俺にとって大事な奴だって
お前知ってんだろうが!!!!!」

マンションの廊下、
大声で叫ぶ千佳花。
なんだか…俺倒れそうです。


「はっ。千佳花。お前知らねーの?
薫は色んな奴と
こう言う事してんだぞ?
なんで俺だけ
責められなきゃいけねーんだよ。」

「は!?ちょっ…。」

「なぁ…。薫?」

「はぁ?違うだろ?薫…?」

急に振られても…
違うって言わないと…。
だけど…そう思っている間に……。

「煩い…。
俺はアンタが大っ嫌いなんだよ!!!」

口が動いた。

「もう…二人とも俺に構わないで下さい。会社も辞めます。
だから。それで終わりにして下さい。」

耐えられないよ。こんなの。

「薫!!!」

最後に聞こえたのが千佳花でよかった。