「気をつけて帰ってね」
「うん!バイバイ!有難う!!」

琥珀君は俺に手を降って、
母親に手を引かれて歩き出した。

俺は、ああやって母親に手を引かれて
歩いた事はなかったな…

「さて、帰ろうかな!」

気がつけば、辺りは暗くなっていて
なんだか…嫌な風が吹いていた。

「引っ越しももう終わってるだろうし
鍵もあるし!」

電車に乗り込むと、
俺は尻に違和感を感じた

「えっ…痴漢?」
「ハァハァ…」

後ろにいる男が俺の尻を触っている…
最悪!俺男なんだけど!?

「あーあ、
折角兄さんが帰国するって言うから
驚かそうとしたら、まさか【痴漢】に
遭ってるだなんてねっ!」

俺の横にいた男の人が
痴漢の腕をひねり上げた。

「いてててて!」
「兄さん!取り敢えず次の駅で降りて!」
「わかった!ってあんた誰だよ!」
「酷いなぁ…忘れちゃったの?」

ニコッと笑う成年は、
次の駅に痴漢と降りると
警察を呼んで、何事もなかったかの様に
俺のトランクを押し、
駅前のカフェに入った