千佳花sideー

留学中…
ずっと俺からの連絡を待ってたのか?
続けて薫の愚痴を聞いてると…
途中から泣き出して、

何を言っているのかわからなくなる。
だけど、薫が誰よりも寂しがりやで
誰よりも愛に飢えてる事を俺は知っている

「留学っ中っ…ずっと…っ電話の…」
「うんうん」
「前っで…待ってたの…毎日…毎日…」

前野が薫の頭を撫でる度イライラする。

触るな…俺の薫に触るな…
誰が許可した…お前に薫はやらん…

「でもっ…一本も…こな…かった!」

泣き出す薫を前野が抱きしめる。

「大丈夫大丈夫!」
「ずっと…待って…たのに…」

ずっと…4年間…ずっと…
俺からの連絡を待ってた…

「佐賀さん…」
「なんだ…?」

前野から出た言葉は意外な物だった。









「綾瀬君を俺に下さい」