白いパーカーと黒いパーカー

私には幼い頃に死んだ父がいた。

母さんと結婚した後の数ヶ月後に事故にあったらしい。

まだ21歳だったという。

星が大好きでよく星を見に行っていたらしい。

その時は決まって、お気に入りの白いパーカーとを着ていくのだという。

だけど、事故にあったその日は偶然パーカーは洗濯中で諦めて黒いパーカーを着て出かけたそうだ。

帰りなのか行きなのかはわからないが、父は何かを道路で落としたらしく、それを探しているときにトラックにはねられたらしい。

即死だったそうだ。

母さんはとても悲しんだらしいが、それから更に数ヶ月後、私を妊娠していることがわかった。

それを知って、母さんは父が私を残したのだと頑張ってきたらしい。

がむしゃらに働いて、父のことも私のことも忘れてしまうほど必死に。

このパーカーはいつの間にかなくなっていたという。

さらに拾ったブレスレットを母さんに見せると、呆れたような顔をして笑った。

「あの人、これを探していたのね。
これは母さんが高校の時にプレゼントしたのよ」

そう言ってブレスレットを握りしめて泣いた。

私はどうしていいかわからなかった。

ただ、あれがお父さんだったのかもしれない。

記憶にない知らない人。

私はパーカーを握りしめた。





それからは私と母さんは一緒に食事をとることが増えた。

父さんの墓参りにも今度行こうと約束もして

家の中で笑顔が三つに増えた気がした。