「何で輝樹と同じ会社だって
分かったの?」

「んー?実はね
今日 雨降ってて 暇だったから なおやとDVD借りに行ったんだけど
そこで輝樹くんに偶然会ってさ。」

「輝樹に?」

「うん、でー
輝樹くんが 私達の方に近づいてきたから
私 春菜の事聞かれるのかと思って
口開こうとしたら
私じゃなくて なおやに話しかけてきてさ。
後々聞いたら 同じ会社の先輩だって。」

「輝樹 一人だった?」

「え?あー・・・・
ううん。一人じゃなかったけど・・」

「女の子といたとか・・?」

言いづらそうな表情を見ると
何となく分かる・・

「そっか・・・・
どんな感じだった?」

「どんな感じって・・・
春菜 本当に聞きたいの?」

聞きたくなんかないけど・・・
私が思ってるほど
輝樹は 私と別れる事なんて
何て事ない出来事なんだという事を
現実として受け入れれば・・

「聞きたいっていうか
諦めもつくかなって・・」


・・・・・・・・・

「ケバい女が
輝樹くんの腕に腕まわしてた・・・
で・・・
輝樹くんの首には
キスマークがあった・・
私が覚えてるのは それだけ・・」


「そっか・・・。」


想像なんて
いくらでもできる。

そんな状況
今まで いくらでもあったもの。