完成された身嗜みに満足気に鏡に向かって頷くと… ふと気づく。 何度も真麻の言葉がリピートされる。口紅を化粧ポーチに入れようとした手が止まり固まった。 『早くしなよ?』 『遅刻するよ?』 『真麻知らないし』 『もう』 『8時10分なんだから』