「どうかしたの?」

「え!?う、ううん!な、何でもないよ!」



再度揺れた肩に確信犯な私は素知らぬ顔で聞いてみる。吃りながらも何もないと首を振り、否定する茶髪少年。決して後ろを振り向きはしないで。


それは自転車を漕いでるから?


違うよね。私の方を向けないんでしょ?恥ずかしくて。


―――隠しきれていない真っ赤な耳がそう言ってるよ。