「大丈夫だよ。横向きに乗るから」 「…そ、そうだね!」 ピョンと横向きに乗っかり茶髪少年のTシャツを掴む。 私を乗せると、スゥ〜と走り出した自転車。 風が、長い金髪を靡かせる。グシャグシャにならないように片手で髪を押さえた。 落ちないようにギュウと強く腰に腕を巻き付ければ――――… 「…っ」 ああ。やっぱり面白い。 笑みが抑えきれず表に出てしまう。歪んだ笑みはきっと、私の歪んだ性格を表しているんだろうね。