「ちょっ、愛莉紗!部屋に行くんじゃないの?」 2階にある部屋に行くために建物内に入る。しかし突然入ってきた私に、母親は慌てて聞いてくる。 カツカツカツ。床を鳴らすヒールの音は母親に止められた事で―――――ピタッと止んだ。 は? 意味わかんないし。 行くから入ってきたんじゃん。 そう顔を顰めると母親は先程まで私が凭れ掛かっていた出入口の扉を指差した。